6月28日、今日はついにみちのく潮風トレイルをスタートする日だ。朝ごはんをしっかりと食べ、亘理駅まで車で向かう。亘理駅に車を停めた理由はピンバッチを集めるためのスタンプが亘理駅でも押さないと足りなくなるからだ。駅周辺の駐車場に車を停め、駅に向かう。天気も良く、いいトレイル日和となりそうだ。紙の切符も久々に買ってみた。


7時頃の電車に乗り、相馬駅まで向かう。土曜日だというのに地元の高校生も随分と多く乗ってきた。なにかイベント事でもあるのかな?
7時半頃、相馬駅に到着。最寄りのバス停で時刻表を見るとネットで見た通り8時過ぎまでバスは来ない。どうせなら歩いて向かおうと松川浦環境公園へ。今思えばこれから長い距離歩くのだから楽できるところは楽をした方がよかった。
8時半、スタート地点である松川浦環境公園に到着!ついに始まるんだとワクワクしながら向かうとなにやら入口が封鎖されている。どうやら開園時間は9時からのようだ。時間が空いたので松川浦を眺めながら傘をさしてのんびりする。ここで日傘の効果を実感する、体感温度が結構変わる!天気が良くて風が弱い今日は日傘をさすには絶好の条件だった。


そして9時になり、スタンプを貰いに行く。なにやら意気込みをノートに綴れる様だ。そしてカウンターもぽちり、0068人目になった!一体何万人がスタートを切ったのだろうか?これから長い旅路が始まる。八戸にはいつ到着できるかな。


30分ほど歩き。百間橋を通過中、水浴びをしている鳥やボートを出そうとしているおじちゃん、草を刈りながら進むトラクターを眺めながら歩いているとここの小泉川と宇多川の間を上流に向かって進まなきゃいけないところをこのまま直進。景色がいいからって地図を見るのを怠ってはいけない。しかし、片手には傘、もう片方にはトレッキングポール、なかなか地図を開く余裕がない。橋の上は風が通り抜け、とても気持ちのいい場所だった。そしてふと思う、すこし足の裏が痛いような気がする。

ここから相馬の街に入るまでは休憩できるような場所は橋の下くらいだった、日も高くなり、気温は30℃付近に、じんわりと汗が出続けるため水分補給はこまめにこまめに…途中梅の木やいちじくの木のいい香りが漂う。いちじくの木ってなんでこんなに良い匂いするんだろうな。高さ1.6m制限の宇多川橋梁をくぐり抜け、ついに相馬の街にくりだす。フレスコキクチで炭酸ジュースを買い、次のスタンプを貰いに船橋屋製菓さんへ、この構えから和菓子屋さんかと思いきや、洋菓子も扱っていた。持って歩くことを考えなければいろいろと買い込みたいが、ぐっと我慢し、まどか万頭二種類と昼御飯用のおいなりさんを購入、焼き菓子も気にはなったがまだまだスタートしたばかり、ちょっと我慢します。

船橋屋製菓さんで買い物を終え、次のスタンプの場所、千客万来館を目指す、途中に今ではもう珍しくなったレコード屋さんや、揚げ物をしてくれる精肉店があった。時刻はまだ11時前、食べるには少し早いなーと思って通り過ぎたが、ここで食べておけばよかった。
千客万来館で無事スタンプを貰い、甲冑をひとしきり眺めて、中村城跡(馬陵公園)へ、ここは木々が多く、周りよりもすこしひんやりしていた。ここでのんびり昼食でも食べてゆっくりしてから先に進もうかと考え、地図や残りの工程を見ていると、経過時間の割に全然進んでいないことが発覚!そりゃ見学ばかりしていたのだから進むわけがない。しかし焦ってもどうしようもないのだから相馬中村神社でお参りをしておみくじを引く。
…末吉
冒険はする時ではない、とのこと。慎重に進もう!

この馬陵公園を過ぎるとトレイルは徐々に郊外へと延びていく。どこでお昼ご飯を食べようか、どこで休憩を挟もうかそんなことを考えて、先にも進みたい気持ちもあったり足の裏の痛みがすこし強くなってきたような気もすることで、ぼんやりと歩いていると飲み物を補充する予定だったヨークベニマルをスルー。残りの水が300mL程度で民家の少ないエリアへ突入する!
日差しは強く、風は弱い、アスファルトを歩いていると下からも上からも熱気が伝わってくる。天気が良すぎるのはトレイルを歩く者にとって良いことばかりではない。でも悪いことばかりでもない。みさご沢池に映る逆さ天明山?羽黒山?はとてもきれいだった。

水の残量も残りわずかとなり、本当に危ないと思ったら恥を忍んで民家に助けを求めようかと考えながら歩いていると、目の前に自販機が!冷たくておいしい麦茶です。

飲み物の心配をしなくてよくはなったが、左足裏はやっぱり痛い、これはマメができるだろうなーと思いながら先を進むと、白幡のいちょうにたどり着く。ここでお昼ご飯にすることに、いちょうの木陰は濃く、すこしひんやりしたところでゆっくりできました。



お昼ご飯を食べ終え、歩き始めるとやはり両足裏に違和感。これは両足にマメができるだろうなーと思いながら歩く。登山靴でアスファルト道を長時間歩くにはソールの硬さが合っていないようだった。
田んぼ道を抜け、少し坂を登っていると今度は左股関節に違和感が、この違和感は30分くらい歩いていたらなくなったし、今後も再発することは無かったのだが、ここで寄り道はあまりしないようにすると決めた。その直後に見た「臥牛城址」見に行きたかったな。
そんなこんなで一心不乱に歩いていると新地町総合公園に到着、なにやら野球の試合をしているようだ。ここで水の補給をし、スタンプを貰いに行く、どうやら中学生の試合のようだった。体育館の周りに保護者や子供たちが多く、体育館の中も人が多くいた。少し中を覗きたかったがこんなに汗をかいていれば臭うかなーと思いスタンプだけ貰ってそそくさと出てきてしまった。

歩みを進め、スタンプが貰えるあぐりや一旦通りすぎ、ファミリーマートで夕飯と朝ごはんの買い出しと休憩のため、アイスコーヒーを買う。ここで飲むアイスコーヒーはすごくおいしい、持ち歩いて人肌程度に温まった水を口にすることが多かったため、氷で冷やされた飲み物は別格の美味しさだ。コーヒーを飲み終わったら水を入れ、氷がなくなるまで冷たい水を飲んだ。
少し道を戻り、あぐりやさんへここでも食料を買い、スタンプを貰う。時刻は3時前、まずは本日のお風呂の鹿狼の湯を目指すため、リュックに荷物をしまっているとザックにトンボがとまった。ここで一時的に日が陰ったため、日傘をしまい、ペースを上げるためにトレッキングポール2本で歩く。残りは5.8km。ここから足裏の痛みと、太陽の光との長い戦いが幕を開ける。

体感の時間はかなり長かったが、1時間程度で鹿狼山のお膝下にたどり着き少しほっとする。ほっとはするがここから登りが始まるんだと、自分に気合を入れ一歩一歩歩く。

登り続けること15分、少し開けた場所が見え始め、そろそろ鹿狼の湯にたどり着いたのか!?と思い進むとそこは登山口。地図を見直すともう少し歩くようだ。鹿狼の湯の直前ではすこし開けた場所があり、太平洋が見えている。随分と遠くまで歩いてきたもんだ。太平洋を背を向けると鹿狼の湯が見えている。しかし写真は撮っていなかった。


鹿狼の湯の浴室からも太平洋を望むことができ、とてもリラックスをしながらお湯に浸かることができた。足の裏を確認すると左足の小指に大きめの水ぶくれができていた。時間が許すならば1時間でも2時間でもゆっくりしたいが、ゴールまではもうすこし、来た道をすこしもどり、本日のお宿、キャンプ場beetoを目指さねばならない。お風呂もはやばやと切り上げ、いざキャンプ場へ!と踏み出した足取りは痛みもあり自分でもわかるくらい非常にぎこちなかった。


本日のお宿にたどり着き、テントの設営を終え、少しゆっくりしているとキャンプに来ていた人からきゅうりの漬物をいただいた。おそらく自家製の漬物でとてもおいしかった。キャンプ場についた安心感で空腹でもあり、急いで食べてしまった。キャンプ場の管理人さんからに新じゃがと新にんにくをいただいた。限られた調理道具と燃料しかない中どうしようか少し考える。今日の夜ご飯はコンビニとあぐりやで買った袋めん・サラダチキン・串カツ…。とりあえず袋めんのボリュームアップとしてジャガイモを追加することにした!鍋にジャガイモをできるだけ煮えるのが早くなるように細かくスライス(ナイフが小さくて厚切り程度にしかできない)し、にんにくも一片スライス。まずはボイルして柔らかくしていく。ゆであがるのを待つ間に串カツも食べる。ソースをつけることを前提とした少し薄味で美味しいが…ソースが欲しい、なんなら醤油でもいい…そんなことを思いながら食べている間にジャガイモは柔らかくなっていく。


そんなこんなで新じゃがいりサッポロ一番塩が出来上がった。これはすごくおいしい。ジャガイモはホクホクだし、にんにくの風味もする。麺が水分をすうため、スープの味が濃い。力の出る味ってこういうことを言うのかなと思いながら一気に食べてしまった。

ラーメンを食べた後、片付けをしながらお茶を飲んだり、ゆったりと8時くらいまで過ごし、気温も徐々に下がってきたのだが体感温度が全く変わらない。日傘をせずに太陽にあたったせいか身体が火照り暑く感じる。
テントの中にもぐりこみ、ビビィとシュラフライナーの中に潜り込みながら日記をつける。…暑い…マットをFPマットだけにして足元には何も置かず過ごすがまだ少し暑い。そんな中、日記をつけているとだんだんと眠たくなる。
本日はみちのく潮風トレイルの工程としては 0km→約24km
スマホの移動距離としては約36km
みちのく潮風トレイルはまだまだ始まったばかり。自分の足はあと二日持つのだろうか?
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